「未経験だけど声優になるにはどうしたら良い？」
「養成所は通わなくても声優になれるの？」
このように疑問をもっている人も多いと思います。
今回は3年以上声優をしている私が、未経験から声優になる方法や、実際に未経験から声優になった人などを紹介します。
これを読めば、声優志望のあなたがどんな行動を起こせば良いか見えてくるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
養成所に通わなくても声優になれる？
結論からお伝えすると、養成所や声優専門学校に通わなくても声優になれる人はいます。しかし、そういう人はかなり、かなり少ないです。
全国の声優志望者のうち実際に声優になれる人は3%で、その声優になれる人数は1万人前後という話もあるくらいですが、その中でも未経験からいきなり声優事務所に所属できるのは指折り数える程度でしょう。
インターネットで調べると養成所などに通わずに声優になった人が出てきますが、そういった人の多くは元々子役で、演技経験がすでにあることも珍しくありません。 声優になるだけでも簡単ではありませんが、養成所などに通わず演技未経験のまま声優になるのは、かなり難しいです。
多くの場合声優になるには、養成所などで演技の勉強をする必要があります。
未経験から声優になった人
沢城みゆきさん
沢城みゆきさんは、中学生の時に一般公募の声優オーディションを受け、演技経験のないままデビューしています。
しかし声優活動を続ける中で、養成所に入り演技を学び直しています。
現在はアニメ「ルパン三世」の峰不二子役や、情報番組「報道ステーション」のナレーションなどを務める、超売れっ子声優です。
瀬戸麻沙美さん
瀬戸麻沙美さんは、高校生の時に第3回シグマ・セブンオーディションに合格し、オーディションの翌年である2010年に声優活動を開始しています。
現在はアニメ「呪術廻旋」で釘崎野薔薇役を演じるなど、売れっ子声優として活躍しています。
戸松遥さん
戸松遥さんは、高校生の時に「ミュージックレイン スーパー声優オーディション」に合格し、そのまま声優デビューしています。
アニメ「女子高生の無駄づかい」菊池茜役や、アニメ「異世界おじさん」エルフ役など、数多くのレギュラーを勝ち取っている売れっ子声優です。
花江夏樹さん
花江夏樹さんは、アクロス エンタテインメント公式サイトのメールフォームからボイスサンプルと声優になりたい意思表示の文章を送り、18歳で事務所の預かり所属となっています。
3ヶ月のワークショップを受け、オーディションを受けた後の預かり所属だそうですが、未経験でこのようなルートを辿り声優になった人は珍しいです。
現在は、アニメ「鬼滅の刃」の主人公、竈門炭治郎役などで知られるかなりの売れっ子声優です。
未経験から声優になるには？
声優養成所に通う
未経験から声優になる方法として、声優事務所の付属養成所に通うという方法が挙げられます。
ここで説明する養成所とは、声優事務所が運営している養成機関のことです。
この場合、養成所に入り声優の勉強をして、事務所の所属審査に受かったわずかな人数が声優としてデビューできるという仕組みです。
また事務所との距離が近いことが多く、養成所によってはマネージャーがレッスンを見に来たり、人によっては在籍中に仕事やオーディションの話をもらえることもあります。
声優の専門学校と違い、進級審査に合格しないと除籍されるので、日々のレッスンをより真剣に取り組む必要が出てきます。
レッスンの頻度は養成所によりさまざまですが、週に1回というところも多いため、仕事や学業と両立しやすいのが特徴です。
しかし、レッスンの頻度は少なくてもしっかり成長するとこを期待されるため、自主練習や予習復習などで自主的に成長できるよう行動を続ける必要があります。
声優専門学校に通う
声優の専門学校に通うのも、ひとつの方法です。
この場合、全日制の学校が多く、週5日しっかり声優の勉強をしたい人に特にオススメです。
また、学校によっては声優事務所のマネージャーを呼んで、独自にオーディションの場を設けてくれるところもあります。
加えて、自分から積極的に行動を起こしてアドバイスなどを求めれば、先生方が親身になってサポートしてくれることも多いです。
しかし、声優事務所の付属養成所と違って進級審査がない場合がほとんどなので、油断しやすい点には注意しましょう。
一般公募の声優オーディションを受ける
これは1番難しい方法になりますが、一般公募の声優オーディションを受ける、というものになります。
声優事務所が主催するオーディションで、募集内容は事務所により違いますが、事務所の所属声優や養成所の特待生を決めることが多いです。
有名なオーディションだと、
- ホリプロインターナショナル声優アーティストオーディション
- 81オーディション
- ミュージックレインオーディション
- シグマ・セブンオーディション
などが挙げられます。
着実に声優への道を歩むなら声優養成所などに入るのがオススメですが、平行してこういったオーディションを受けるのも良いでしょう。
よくある質問
声優養成所は未経験でも入れる？
声優養成所は、未経験でも入れるところがあります。
声優養成所の多くは学年のようにクラスを分けていることが多く、
- 演技未経験者が対象の基礎クラス
- 演技経験者が対象のクラス
このように未経験と経験者を振り分けています。
そのため演技未経験者でも入れるクラスがある養成所では、未経験でも入所することが可能です。
まれに演技未経験者でも、経験者と同等の実力があると見なされて経験者クラスに飛び級する人もいますし、経験があるのに実力不足と見なされて未経験クラスに入る人もいます。
声優デビューできる年齢は？
声優としてデビューできる年齢の上限は厳密にはありませんが、アラサーを過ぎると少し厳しくなります。
多くの声優事務所付属の養成所では、入所時の年齢制限をアラサー(20代後半～30代前半)あたりに設定していることが多いからです。
声優の事務所に入るには、多くの場合この声優養成所に入る必要があります。この養成所で勉強した後、事務所の所属者を決める審査で合格すると、晴れて声優事務所に所属することができるのです。
したがって養成所に入る段階で年齢制限に引っかかってしまうと、事務所に入るチャンスを逃すことになります。
しかし、数は少なくなってしまいますが、年齢制限をそもそも設けていない養成所も中にはあります。年齢制限で引っかかってしまう人はそのような養成所を検討すると良いでしょう。
一方で、ある程度年齢を重ねたことが有利に働く局面もあります。
これは中高年役ができる人に当てはまる話ですが、声優業界ではギャラの安い新人が中高年の役を演じられると、重宝される傾向にあるからです。
作品の制作予算の関係で、端役の中高年キャラに関しては、年齢とともにキャリアも重ねてギャラが高くなった声優よりギャラが安くて中高年役もできる新人を起用したい、という事情があります。
アニメや吹き替えなどのギャラは、台詞量ではなく、主に声優としてのキャリア(年数に基づいたランク)で決まります。
アラサーあたりになると中高年の役を演じられる人も増えてくるので、その年齢でデビューするのにもメリットがあるのです。
しかし、アイドル声優のようにタレント的な活動をする声優を目指す場合は、デビュー時の年齢が若いほうが有利になります。
特に女性の場合、アイドルのような活動をする作品では、23歳や25歳などの年齢制限があることも。
また、一般公募の声優オーディションで声優アーティストを募集するときでも、22歳などの年齢制限が設けられていることが珍しくありません。
したがって、アイドル声優・アーティスト声優を目指す場合はできるだけ若いうちから行動を起こしましょう。
まとめ
今回は、未経験から声優になる方法や、実際に未経験から声優になった人などを紹介しました。
未経験から声優になるには、声優の養成所や専門学校に行くのが現実的な道です。
しかし、それと並行して一般公募の声優オーディションを受けるのも良いかもしれません。
未経験からいきなり声優デビューするのはかなり稀なケースなので、その方法に頼らず、着実に声優になるべく行動を起こしてみましょう。
高校生の頃に声優に憧れ、日ナレを卒業後、大手声優事務所の声優として活動中。これまでアニメの声優やナレーションなど様々な仕事を経験。